二級建築士から一級建築士へ──私が乗り越えた壁と広がった未来

建築士試験対策

建築の世界に入って10年以上が経ちましたが、

振り返ってみると「二級建築士」として働いていた頃と

「一級建築士」として今取り組んでいる仕事では、

求められるものも、見える景色もまるで違います。

今回は、私が二級建築士だった頃の経験、

そして一級建築士としての現在についてお話ししたいと思います。

二級建築士だった頃のジレンマと成長

私は建築系の専門学校を卒業後、

地元の工務店に就職しました。

入社3年目で二級建築士を取得し、

木造住宅の設計や現場監理を任されるようになりました。

当時はそれだけで十分やりがいを感じていました。

しかし、あるとき大型の商業施設の設計に関わる機会がありました。

ところが、そこでは「一級建築士の資格がないとこの図面にはサインできない」と言われ、

プロジェクトの中心に立つことはできませんでした。

そのとき感じたのは、

「技術だけでは乗り越えられない壁がある」

という現実です。

仕事は順調でしたが、

二級建築士では扱える建物の用途や規模に限界があることも事実です。

もっと自由に、もっと大きな建築に関わりたい

そう思い、一級建築士の勉強を始めました。

一級建築士受験は“自分との戦い”

受験勉強は想像以上にハードでした。

日中は仕事、夜は家族サービス、

そして深夜から2時間の勉強時間を確保。

休日は近所の図書館にこもり、

黙々と過去問と格闘しました。

特に苦労したのは「建築構造」と「法規」。

暗記だけでなく、理解力とスピードが問われるため、

何度も壁にぶつかりました。

しかし、合格した年の製図課題は、

私がこれまで手がけてきた住宅設計の経験が活かせるものでした。

それが自信につながり、何とか一発で合格を果たすことができました。

合格通知が届いたときの感動は、今でも鮮明に覚えています。

一級建築士として見えた新しい景色

資格を取得してからは、職場での立ち位置も変わりました。

中規模のビル設計や、公共施設のプロジェクトに参加する機会が増え、

意匠設計から構造・設備との調整まで、

より総合的な視点で建築を考えるようになりました。

以前は「先輩の指示で動く」ことが多かったのですが、

今では自分がプロジェクトリーダーとして、

計画の初期段階からクライアントと向き合うことも増えました。

責任は重くなりましたが、

それ以上に「自分の設計が社会に残る」喜びを強く感じています。

また、資格を取ったことで独立開業の選択肢も見えてきました。

まだ構想段階ですが、いずれは自分の設計事務所を持ち、

地域に根ざした建築を手がけたいと思っています。

まとめ

二級建築士のときに感じた「もっと挑戦したい」という気持ちが、

一級建築士の取得につながり、

今の自分を形づくっています。

資格は単なる“肩書き”ではなく、

仕事の可能性を広げる“パスポート”です。

これから建築士を目指す方、

二級で止まろうか迷っている方に伝えたいのは、

「一級の壁は高いが、乗り越えた先に確実に新しい世界がある」

ということ。

経験は必ず糧になります。

自分の成長のために、ぜひ挑戦してみてください。