設計士と現場監督ってどう違うの?設計歴20年越えの私が分かりやすく解説!

設計士と現場監督の違いは、

役割や仕事の内容に大きな違いがありますが、

一般的に混同されがちです。

わかりやすく、例を挙げながら解説します。

1. 設計士(建築士)

設計士の主な仕事は、

「建物をどう作るか」

を決めることです。

彼らは建物の設計図を描き、

建物の構造やデザイン、

機能性などを考慮して計画を立てます。

設計士は、クライアントの要望をもとに建物の形、

間取り、使われる材料、そして安全性などを考えます。

例:

たとえば、あるレストランの建物を設計する場合、

設計士はまずクライアントの希望

(例えば、「広いキッチンが欲しい」や「オープンテラスを作りたい」)

を聞き、

その要望を基に建物の外観、間取り、動線(スタッフや客の動きやすさ)などを設計します。

設計士は、最終的に設計図を完成させ、

必要な場合は許認可を得るために法規をチェックしたりします。

2. 現場監督(施工管理)

一方、現場監督は実際に建物が作られる「現場」を管理する役割を担います。

現場監督は、設計図に基づいて工事が順調に進むように管理・監督を行います。

彼らは、工事の進行状況をチェックし、

品質を維持し、

工程や予算を守るために、作業員や各業者との調整を行います。

例:

先ほどのレストランの建物の工事が始まったら、

現場監督は工事現場に立ち、

設計図に従って建物が正しく作られているかをチェックします。

例えば、壁の厚さが設計通りであるか、

電気の配線が正しく配置されているか、

予算内で工事が進んでいるかなどを確認します。

また、作業員が安全に作業を行えるように環境を整え、工事の進行を調整します。

主な違いについて

• 設計士は「何を作るか」を決める役割(計画やデザイン)。

• 現場監督は「どう作るか」を現場で管理し、工事が計画通りに進行するように監督する役割。

例えば、設計士は

「レストランの厨房には広めの作業スペースを設けて、オープンキッチン風にして、客席から見えるようにしたい」

というデザインを考えます。

一方、現場監督はそのデザイン通りにオープンキッチンを作るために、

材料を発注したり、

職人に指示を出して作業を進めたりします。

設計士が完成した設計図を渡した後、

現場監督がその設計図を元に実際の建設を行うことになります。

このように、

設計士は「計画者」、

現場監督は「実行者」

として役割が異なりますが、どちらも重要な職務です。

それぞれがうまく連携して初めて、建物が計画通りに完成するのです。