手書き図面からCADへ移行した時のお話

建築士基本情報

手書きの図面からCAD(コンピュータ支援設計)に移行した時の体験は、

多くの建築士にとって一大転機です。

私がその移行を経験したときの思い出を振り返ると、

さまざまな面での変化がありました。

以下にその時の体験談をお話しします。

初めてのCADソフトへの挑戦

最初にCADソフトを触った時、

正直に言うと、かなり戸惑いました。

手書きで図面を描くときの感覚とは全く異なり、

マウスやキーボードを使って正確に線を引いたり、

寸法を入れたりするのが非常に難しかったのです。

特に、手書き図面で自然にできていた

「感覚での調整」が、

CADでは「数値として精密に入力しなければならない」という点が大きな違いでした。

手書きであれば、

何度も消しゴムで消して線を引き直すことで、

ある程度感覚的に調整できていたのですが、

CADでは間違った部分を一度直してしまうと、

その変更が他の部分に影響を与えたり、

修正を一つずつしなければならなかったりすることが多く、

最初はそれがとても面倒に感じました。

図面の正確さと効率化の実感

しかし、すぐにCADの利点が見えてきました。

手書きでは手間がかかり、

修正も大変だったのに対し、

CADでは修正が簡単で、

図面の精度も格段に向上しました。

特に、直線や円、角度などの精密な描写が簡単にでき、

手書きでは考えられなかったような精度で設計ができるようになったのは大きな感動でした。

また、複製やミラー、コピー機能を使えば、

一度描いた部分を簡単に再利用できるので、

効率的に作業を進められるようになりました。

図面の管理と共有

CADのもう一つの大きな利点は、

図面をデジタルで管理できる点です。

手書きだと、何十枚も図面が溜まると整理が大変でしたが、

CADではファイルとして保存し、

フォルダで整理するだけで済みます。

さらに、他のスタッフやクライアントと図面を共有するのも簡単で、

メールで送ったり、オンラインで共有したりできるため、

時間や距離を気にせずにコミュニケーションが取れるようになったのは非常に便利でした。

苦労した部分と学び

ただし、最初のうちはCADに慣れるのに時間がかかりました。

特に、ツールやコマンドの使い方、

ショートカットキーの活用など、

効率的に作業を進めるためのスキルが必要で、

これを習得するまでにかなりの時間がかかりました。

また、手書きの図面に慣れた体が、

急に座りっぱなしでPC画面を見続けることに慣れず、

肩こりや目の疲れがひどくなったのも初期の辛い体験の一つです。

しかし、練習を重ねるごとに、その便利さが実感でき、

作業のスピードや精度が格段に向上したことに満足感を感じました。

また、図面作成の一部が自動化されたり、

変更が他の部分に自動的に反映されたりする機能を活用することで、

ミスの減少や作業効率の向上を実感し、

CADに対する自信がついてきました。

最後に

手書きからCADに移行する過程は、

最初こそ戸惑いと苦労が多かったものの、

最終的にはその便利さや効率性を実感し、

大きな変化を感じました。

今振り返ると、CADの導入によって、

設計業務が単なる作業からクリエイティブで

精密なプロセスへと進化したと感じています。

それは、手書き図面ではできなかったことができるようになり、

仕事の質を高めることに繋がったからです。

今では、CADが無ければもう建築の設計はできないと思うほど、

日常的に使用していますが、

最初の戸惑いや苦労を思い出すと、

それを乗り越えたからこその成長を感じます。