建築士を目指す学生に向けた講演会での体験談は、学生たちに現実の厳しさや魅力を伝える良い機会です。
僕が講演会で話したことがある体験談として、以下の内容が学生たちに興味を持ってもらえたことがありました。
初めての現場の衝撃
学生時代、建築の設計やデザインは教室での理論的な話で終わりがちですが、実際の現場に立つとまったく違う世界が広がります。
初めて現場に行ったとき、思っていた以上に建物が「生きている」感覚を覚えました。
特に、職人たちが精密に作業を進めていく中で、自分が設計したものが現実になっていく瞬間は、感動的でした。
しかし同時に、現場での予期しない問題や変更に対して迅速に対応する必要があり、設計だけではなく、調整やコミュニケーション能力が求められることに気づかされました。
失敗から学んだ大切なこと
最初の頃、設計をした建物の一部で思わぬ不具合が発生し、施工途中で修正を余儀なくされました。
設計の段階では完全に計算しきれなかった部分が現場で顕在化し、
実際の条件や制約を考慮しきれていなかったことを痛感しました。
この経験から、設計の前提において「理論と実際のギャップ」を常に意識し、
問題が起きたときにどう解決するかという柔軟な思考が大切だということを学びました。
建築の社会的影響を感じる瞬間
設計が完了した後、完成した建物が地域の人々にどう受け入れられ、
どんな影響を与えるのかを観察することができました。
例えば、公共施設や住宅を設計した場合、人々の生活やコミュニティに与える影響がとても大きいと感じます。
設計した空間が使われ、喜ばれる瞬間には深い満足感があり、建築の仕事が社会貢献につながっているという実感が湧きます。
これらの体験談を通じて、学生たちには
「建築士の仕事は華やかで魅力的なだけではなく、地道な努力や苦労も伴う」
という現実を伝えることが大切だと思っています。
しかし、それでも
「建築を通じて社会に貢献できる」
という点でのやりがいが非常に大きいことを強調しています。
これから建築士を目指していく学生に以下の5つのアドバイスを生意気ながらしたいと思います。
1. 好奇心を大切にしてほしい
建築の世界は常に進化しており、技術や材料、デザインのトレンドも日々変化しています。
だからこそ、好奇心を持ち続け、新しいことを学ぶ姿勢がとても大切です。
最初は分からないことだらけかもしれませんが、その「分からない」を楽しんでください。
知識や経験が増えるにつれて、自分のデザインに対する考え方もどんどん広がっていきます。
2. 実践的な経験を積むことが重要
建築は理論だけでは完結しません。
実際に設計をし、現場で問題を解決し、クライアントと調整を行いながら、どんどん学んでいくものです。
インターンシップや実務経験を積むことは、学生時代にできる最も価値のあることの一つです。
理論と実践が融合してこそ、真の建築士になれるのだと感じています。
3. 失敗を恐れずに挑戦し続けてほしい
建築の仕事では、何かしらの「失敗」や「誤解」は必ずあります。
それが最初はとても怖いかもしれませんが、失敗から学ぶことは非常に大きいです。
失敗を恐れず、自分の限界に挑戦し続けることが、成長への一番の近道です。
どんな小さな経験でも、自分を成長させる糧になります。
4. 人とのコミュニケーションを大切に
建築は一人では成り立ちません。クライアント、設計チーム、施工業者、さらには地域の人々など、さまざまな人々と関わりながら仕事を進めていきます。
だからこそ、コミュニケーション能力が非常に重要です。
自分の意図をしっかり伝え、相手の意見にも耳を傾けることで、より良いものが生まれるはずです。
5. 建築は社会に大きな影響を与える仕事
建築の魅力は、自分が手掛けたものが実際に人々の生活に影響を与え、社会に貢献できるところです。
日々の仕事が形になり、世の中に残るという意味では、非常にやりがいを感じることができます。
自分が手掛けた空間が人々に喜びや便利さを提供できる瞬間は、何物にも代えがたいものです。