設計監理の監理業務って何?なかなかイメージしづらい監理業務を解説!

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監理業務とは

皆さん、監理業務も聞いて何を想像するでしょうか?

設計事務所というのは、基本的に設計業務と監理業務を行います。

設計は皆さんの想像の通りの、図面を引くことです。

しかし、監理業務と聞くと、一体何をしているのかが想像しづらいと思います。

そういった人たちの為に、経験が無くても想像しやすいように、

今回の記事で書いていきたいと思います。

監理業務とは建物の確認

まず、最初に監理業務というものが一体なんなのかの定義をお教えしましょう。

監理業務とは「設計図書通りに建物が建っているかの確認する業務」です。

これは、皆さんが想像するものとは少し違います。

設計図書通りに建物がたっているかを確認するのは、現場監督のイメージをする人が多いと思います。

現場監督は施工管理になります。

監理と管理は実は違うのです。

私も設計事務所に入って、最初は監理と管理の違いを、あまり気にせずにどっちの漢字でも良いのだろうと思っていましたが、これは全然違います

現場監督が管理で、設計者が監理になります。

まずは、施工管理について知っておきましょう。

現場監督は皆さんのイメージ通りだと思います。

毎日工事現場に入り、工事の段取りや工期の調整、職人さんへの配慮などをするものです。
施工管理は主にそういった業務になります。

正直言って大変です。

なぜなら、工期についても天気のことにも気を使います。

また、職人さんの手配についても、建築業界は人手不足になりがちです。

これは少子化高齢と人口減少などの原因もありますが、工事する場所で、近くで大きい工事などがある場合などは、そちらに職人が取られて人が集まらなかったり、大変なことが多くあります。

続いて、監理業務について説明していきます。

先程の施工管理と違い、監理業務は毎日のように工事現場に入ったりはしません。

では、どういった時に現場に行くのか?

それは大きく分けて2つあります。

監理業務の仕事①

1つ目は定期的な打合せです。

これは定例会議というところもあります。

工事の進捗状況や、現場の不明点を聞いたりする場になります。

そして、現場監督と設計者の認識を統一する場でもあります。

たとえ、同じ図面を見ていても、どうしても設計者が伝えきれなかった所や、上手く伝わっていない場合というのはあります。

また、それと同時に勘違い等も必ず発生します。

そういった点を正しく修正していく打合せになります。

また、今書いたのは設計者としての立場からですが、逆もあります。

設計者が間違っている場合もあります。

なぜなら、完璧な設計者はいません。

人が仕事をしている限り、ミスというものは発生します。

そこで、施工者がこれが間違っていますよ。ここはどうしましょうか?などの話をする場でもあります。

なので、この定期的な打ち合わせというのはとても重要です。

私はそんなことしませんが、全て施工者任せにしてしまう設計者も少なからずいます。

こういう設計者はとても危険です。

建主が思ってもいなかった出来上がりになってしまう可能性があります。

取り返しのつくことなら良いですが、取り返しのつかないものなら大変です。

それだけ、設計者の監理業務は重要です。

続いて2つ目の監理業務について説明します。

監理業務の仕事②

2つ目の監理業務は、検査と立ち会いです。

といっても、具体的にはイメージしづらいと思います。

では、具体的な例を挙げていきましょう。

まずは配筋検査です。

これは監理業務において、とても重要でイロハのイと言っても過言ではないでしょう。

配筋というものを知らない人の為に説明すると、建物には必ず基礎というものがあります。

基礎と聞くと、どんなものか分からなくても、重要そうだと思うはずです。

基本的に基礎はコンクリートと配筋で出来ています。

配筋とは鉄の棒だと思って下さい。

鉄の棒の中にコンクリートを流し込み基礎が出来ます。

なので、ちゃんと基礎が出来ているかチェックする必要があります。

基礎がちゃんと出来ていなければ、基礎の上に建つ建物がどんなに素晴らしくても危険です。

そして、配筋というのは基礎においてとても重要です。

コンクリートと配筋で基礎は形成されますが、配筋というのは周りをコンクリートで埋めるので、見えなくなってしまいます。

もしも悪い人が基礎を作っていたら、配筋を少なくしていたとしましょう。

コンクリートを打ってしまったら、少なくなっていても分かりません。

見た目は同じです。

調べようにも調べる為にはコンクリートを壊さなければなりません。

基礎だけなら良いですが、仮に基礎の上に家が建っていたらどうなるでしょうか?

基礎の配筋を調べる為に、家を解体しなければなりません。

こういったことが無いように監理者は検査をします。

あとあと取り返しのつかない事態にならないように、検査をします。

そういった重要な点が建築工事にはたくさんあります。

その重要な点の時に監理者は検査するのです。

例を挙げるとキリがない程検査の数はあります。

全部が全部するというわけではありません。

その工事の種類や目的によって検査は様々なものになります。

そして、目に見えるところはもちろん、見えなくなってしまうものまでちゃんと監理します。

それが、監理業務です。

設計書通りにちゃんとしなければなりません。

以上2点が主な監理業務です。

監理業務のまとめ

これが全てではありませんが、おおまかなものを紹介しました。

設計者、監理者が行うものを少しでも多くの人にイメージ出来るようになれば幸いです。

最後になりますが、設計事務所と聞くと設計だけする仕事だと思っている人もいると思いますが、
監理業務ももちろん行っています。

そして、私は監理業務の方が、設計業務より大事だと思います。

なぜなら、設計まではまだ現実なものではありません。

実際に現実に建物が建つのは監理業務です。

将来、建築士として働きたい方は、設計も一流、そして監理も一流を目指してほしいです。