今回は私が人生の中で1番苦労した、そして勉強した一級建築士試験について語っていきます。
私が一級建築士を目指したのは30歳の時でした。
そして、ストレートではなく、2回目の受験で受かりました。
1回目は学科試験で、完膚なきまでに落ちてしまいました。
なので、私が受かったのは31歳の時です。
まずは1回目の一級建築士試験受験の体験から話していきます。
正直1回目の受験は受かる気などさらさら無く、受験当日の試験終了時に不合格を確信しました。
しかし、全くショックを受けませんでした。
なぜなら、受かる気が無かったからです。
会社から一級建築士を取れ!と散々言われて、仕方なく受けたからです。
次の日会社で悔しがる演技がとてもめんどくさかったのを覚えています。
来年こそは頑張れよ!という言葉が、とてもきつく感じました。
その時の私はまだ一級建築士の試験を頑張る気はありませんでした。
正直言って今の仕事で困っているわけでもないし、私は二級建築士でも一級建築士より仕事が出来ると、若さゆえの勘違いをしていました。
なので、一生二級建築士のままで良い!と強く思っていました。
しかし、そんな私が次の年に見事に合格しております。
学科も実技もストレートで受かりました。
そんな私を一級建築士を目指そうと思ったきっかけはというと、
これは誰にでも当てはまることではありません。
しかし、経験したことがある人も多いと思います。
そんなきっかけをいうと、ずばり、
失恋です。
なんで!?と思った人も多いでしょう。
少し自分語りをしたいと思います。
その頃の私は30歳で、設計事務所に勤めていました。
業務にも慣れてきて、尚且つ仕事を任されることも多くなり、仕事に追われていました。
そんな私にも恋人がいました。
そして、そろそろ結婚しようという話もしていました。
今思い返すと、結婚しようの話は、私からしていただけで、彼女からは聞いたことがありませんでした。
その当時の私はそんなことすら気づかずに、勝手に彼女と結婚する未来を描いていました。
先程も書いた通り、その頃仕事が忙しかったです。
なので、必然的に会う頻度はどんどん減っていました。
しかし、私はそんなことを深く考えられていませんでした。
言い訳させて貰うと、仕事が忙しかったから。
とても自分勝手な言い訳でしかありません。
別れの日は突然訪れました。
一通の電話でした。
大体一級建築士試験の1ヶ月後ぐらいの時期でした。
普段は一切そんなことは無いのですが、その日だけ、彼女からの電話に出たくないと思ったのを覚えています。
その予感は見事に的中でした。
その時の私は泣いて縋る程の度胸もなく、20分程の電話で、別れが成立しました。
7年の付き合いが20分で終了しました。
その20分の中で一級建築士試験の話がありました。
彼女には理解出来なかったのです。
仕事は頑張るくせに、勉強は頑張らないことが。
当時の私を振り返ると今の私も理解出来ません。
でも、当時の私は勘違いをしていました。
彼女は陰ながら一級建築士試験を応援していたのです。
しかし、私は全く勉強せず、勉強したふりだけをしていました。
別れた後の私はショックで立ち直れませんでした。
あれだけ頑張っていた仕事にも身が入らず、ただただ日常を消化していました。
でも、なぜか仕事に大きなミスや問題は発生しませんでした。
逆に力が抜けて良い仕事が出来ていたのかもしれません。
そんな日々が半年続きました。
一級建築士の勉強でもするか。と、特にきっかけなく思いました。
自分でも分かりません。
彼女のことを思い出すからしたくないとか、そういうことはありませんでした。
ただの日常の暇つぶしで勉強を始めました。
勉強が異常に捗りました。
今までの人生で1番勉強が捗りました。
おそらく、勉強が楽しかったんでしょう。
日常がつまらなすぎた分、勉強が楽しくてしょうがありませんでした。
といっても、心のどこかで一級建築士を取れば、もう一度彼女が戻ってくるのではという、淡い期待も無かったと言えば嘘になります。
最初の1ヶ月はただただ漠然と勉強していました。
受かる受からないではなく、ただ現実逃避出来れば良いという思いで勉強していました。
しかし、勉強していくと不思議なもので、合格したいという思いが生まれてきました。
そこからは勉強の計画を立てました。
まずは大まかな半年のスケジュールを組み立て、そこから週ごとにスケジュール、最後に日のスケジュールを立てました。
その時は全く無知だったので、この量をすれば試験に間に合うというだけの計画でした。
しかし、当時の私には良かったです。
勉強しなければならないというのが、とても人生においての刺激になりました。
スケジュールが適当だった為、多い日はほぼ、徹夜で勉強し、少ない日は1時間など、だいぶ勉強バランスは悪かったと思います。
しかし、そんなことは大して気になりませんでした。
それまで無気力だった私の唯一の義務でしたので、めんどくさいと思うことなく試験前日まで勉強出来ました。
そして、2回目の試験は試験終了後に確信しました。
受かった。と。
そして、実技試験に臨みます。
ここまで来れば日常に勉強が組み込まれているので、
勉強は苦にはなりません。
学科試験の次の日にスケジュールを立てて勉強を開始しました。
実技試験まではあっという間でした。
試験が終わり、勉強という日常が無くなり、虚無感に襲われるのではないかと危惧していましたが、
意外に勉強が無くなっても無気力になることなく、普通に生活出来ました。
そして、結果発表の日。
無事に合格出来ました。
嬉しくないと言ったら嘘になりますが、その時少し虚無感を感じてしまいました。
合格してから元恋人に連絡しようかどうか悩みました。
また、やり直そうとかそういう気持ちは無く、ただ一言おめでとうと言ってほしかったのです。
その一言の為に勉強していたのかもしれません。
連絡しようか悩んでいるのが1か月程経ったある日です。
彼女からメールが来ました。
人伝に私の合格を聞いたのかもしれない!
そう思いました。
ドキドキしながらメールを開きました。
「○○さんと結婚します。」
○○さんは職場の同期でした。
一生二級建築士のままで良いと思いました。
一級建築士になる為の勉強~私が受かった勉強方法~
