建築士の花形!設計とは一体何?分からない人に具体的に解説。

建築士基本情報

設計とは?

設計というと皆様はどういった業務を想像するでしょうか?

一般の人の1番多いと思うイメージが紙に線を引いて、設計図を書いているイメージではないでしょうか。

その通りです。

暗い部屋でもくもくと設計図を書くのです。

設計というのは設計図を書くということです。

ただ建築士が書く設計図は、あまり設計図と言いません。

建築図面だったり、設計図書と言います。

設計図の種類

それは設計図というものの種類が色々あるからです。

設計図の中には色々な種類があります。

電気図面、機械図面、構造図面、そして建築図面です。

基本的に皆様が目指している建築士の仕事は建築図面を書くことになります。

建築士だけが使う言葉

では、ここで少しだけ建築士としての知識をお教えします。

建築士は基本的に図面を書くとは言いません。

まだ仕事に慣れてない初心者や建築科を卒業したばかりの学生さんなどは図面を書くというかもしれませんが、建築士として長年勤めている人は、図面を引くと言います。

これは手書き時代の名残だと思われます。

そして、これは私の個人的な意見ですが、図面を引くの方が図面を書くよりかっこいいです。

書くより引くの方が職人感が出てきます。

私も若い頃に周りが図面を引くと言っていたので、かっこいいと思って今でも図面を引くと言っています。


ついでに、もう一つかっこいいワードを紹介しましょう。

それは、図面に起こすです。

図面に起こすとはどういったことかというと、

その建物を図面にするということです。

これまた職人感があります。

なら、これを図面に起こせば良いですね。

など言ってみたいものです。

話が逸れてしまいましたので、本題に戻します。

設計業務の内容

設計というのはご存知の通り、単純に図面を書くだけではありません。

お客さんと打ち合わせをして、お客さんの理想の家を作り上げていくと思っている方も多いかもしれませんが、

設計というのはそんなに簡単ではありません。

少し想像すると分かるかと思いますが、建築基準法というものがあります。

法律は守らなければなりません。

法律を守っていない設計をすると違法建築になってしまいます。

なので、建築基準法を守りながら、お客さんと打ち合わせをして理想の家に近づけていきます。

しかし、建築基準法だけ、守って作れば良いということではありません。

家を建てるということは様々な法律が絡んできます。

代表的なものでいうと都市計画法などがあります。

都市計画法ってなに?って方が多いと思います。

私もこういった仕事をしていなければ、下手すると一生知らなかったかもしれません。

都市計画法というものは簡単に言えば、近所のことに配慮してね!ということです。

例えば、あなたが家を建てたその土地の隣に突然大きい建物が建ったら困ると思います。

逆に田んぼの真ん中にマンションを建てることは出来ません。

こういった近所のことに配慮するルールのことを都市計画法で決められているのです。

簡単にいうと都市計画法というのはそういうものです。

設計をする為には他にも色々なルールがあります。

都市計画法以外にも地域の条例などもあります。

これは皆様の市町村とかでも条例というものを聞いたことがあると思います。

最も身近にある条例はゴミ出しなどのルールかと思います。

こういった地域のルールも建築物を建てるには気にしなければなりません。

例えば京都の歴史的建築物の目の前にカラフルアイランドを建ててはいけませんし、見たことがある人もいるかもしれませんが、歴史的建築物の周辺ではコンビニエンスも通常とデザインが違ったりがあります。

これは地域のルールに沿って建ててあるコンビニエンスになるのです。

そういった目線で自分の街を見てみると面白いかもしれませんよ。

まとめ

では、今までの話をまとめていきましょう。

お客さんと打ち合わせをして、次に建築基準法を守ります。

都市計画も意識して地域なども考慮します。

こういったことを考慮してしまうとだいぶ、お客さんの理想の家が難しくなってくるというのは想像できると思います。


とても難しいです。

さらに法律やルールなどを考慮すれば良いというものでもありません。

これは、法律上は問題ないのですが、その建てる土地に合った建物を建てなければなりません。

たとえば、沖縄にあるような家を北海道に建てることは出来ません。

逆に北海道にあるような家を沖縄には建てることは出来ません。

出来ませんというのは、言い過ぎでした。ただ、私がお客さんからそういった希望を言われても出来ませんと言ってしまいそうです。


それはなぜか?

皆さんの想像の通りです。

その地区に適した家を建てなければいけないからです。

沖縄の家は台風対策を深く考えてあります。

北海道の家は冬の寒さ対策を深く考えてあります。

北海道の家はあまり台風のことは考えなくて良いのです。

こういったことを踏まえてお客さんと打ち合わせしなければなりません。

細かい話でいうと屋根や外壁をとってもそうです。

この屋根がいいと言われても、おすすめできない場合はちゃんと理由をつけて私は話します。

ちょっとした納まりもそうです。

私の過去の経験や失敗からこうした方がよい!と自分なりの答えを出していきます。

そして、お客さんに打ち合わせをして家を設計していきます。

今語っただけでも設計というのはとても大変なことが分かるかと思います。

しかし、法律の問題などは慣れてしまえば、そうでもありません。

覚えていれば、お客さんに簡単にアドバイス出来ます。

家というものは一生に一度の大きな買い物です。

自分が満足できない家にずっと住み続けるというのは、誰が想像してもイヤですよね。

だから、大変なのです。
設計事務所にお願いするようなお客さんは、それなりにこだわりがあります。

実現できるこだわりだったら実現させてあげたいです。

だから、上手く妥協点を話し合わなければなりません。

お互いが納得しなければいけないのです。


建築士の設計業務に必要なのは知識と経験とコミュニケーション能力です。

最後にまとめといきましょう。

設計業務とは、
お客さんと打ち合わせをする
法律を守る
地域のルールも守る
お客さんの理想の家に近づける
お客さんとさらに打ち合わせ

設計業務はこういったものです。


そして、建築士を目指している人達はこういったことをしなければなりません。

だいぶ、マイナスなことばかり書いてしまいましたが、設計業務というのはこういうものです。

ただ、最後に良いことを言わせてもらうと、

やりがいは圧倒的にあります。

そして、自分の設計した建物は建ち続けます。

大体30年以上は建ちます!

これはものすごいやりがいだと思います。

記憶にも残り、物としても残る。

とてもやりがいのある仕事です。

これだけは胸を張って、今後の若人に伝えたいと思います。

皆さん、頑張ってください!